理事長挨拶

  • 第52代 理事長吉野 建作

 三鷹青年会議所2021 年度 理事長所信
仲間を信じて突き進め
~新たなる一歩から始まる明るい未来~

皆さんは、昨年の今頃のことを覚えていますでしょうか。夏には東京オリンピックも控え、華々しくスタートした2020年度。しかしそれはまもなくして、世界規模での新型コロナウイルスの流行により、まさに混沌と言うべき未知の世界に晒されることとなりました。町を行き来し、人と出会い、食事を楽しむ。ともに歌い、踊り、学び、語り合う。そうしたささやかな日々の営みすら自由にできなくなり、仲間たちとの活動さえも制限されるという、いまだかつて誰も経験したことがない状況のもと、私たちはみな、まるで出口のない迷路に迷い込んでしまったかのように、ひどく不安な気持ちを抱くようになりました。何が正しいのかも分からないままマスクを求めて駆け回り、学校は一斉休校し、多くの人は外出自粛によってこの事態を乗り切ろうとしました。それでも感染の不安は消えず、停滞した経済も先が見えない中、さまざまな業種において事業規模の縮小や廃業などを余儀なくされていきました。
こうして考えると、2020年度において、私たちの住む三鷹、東京、そして日本は、目に見えた焼け野原や廃墟はないものの、ひどく壊され、とても深い傷を負ってしまったと言えるでしょう。そんな中、私たちが思い出さなければならない言葉があります。青年会議所設立趣意書、その第一文です。

「新日本の再建は我々青年の仕事である。」

これは、戦後復興のさなか、日本に青年会議所が設立された当初の精神です。それから70年、当時の青年たちの思いを受け継いだ私たちもまた、新型コロナウイルスの流行によって荒れ果てたこの社会を再建し、新たな日本を創っていくことが求められています。それこそが、まさに2021年度における「我々青年の仕事」なのです。
【はじめに】
例年では、新年賀詞交歓会において、多くの方々をご招待し、実際に顔を合わせ新年のご挨拶と感謝の気持ちをお伝えさせていただいておりますが、政府からも緊急事態宣言が発令されるという状況のもと、社会情勢と皆様の健康を鑑み、このようなインターネット配信による設えといたしました。
平素より、三鷹青年会議所の運動にご理解いただき、ご支援、ご協力を賜っております、三鷹市行政をはじめとする、地域関係諸団体の皆様におかれましては、この場を借りて、厚く御礼申し上げます。また、三鷹青年会議所設立当初より、多くの運動を展開してこられた、先輩諸兄姉におかれましては、心より敬意を表しますと共に、そのお一人お一人に感謝を申し上げます。
【三鷹青年会議所との出会い】
私の三鷹青年会議所との出会いは、今から30年さかのぼった小学3年生の時でした。青年会議所の会員であった父から、わんぱく相撲の参加者が少ないから出場するように言われ、しぶしぶ参加することになりました。それでも実際にまわしを締め、観客の見守る土俵に立つと、やはり負けたくありませんから真剣勝負です。勝って、負けて、そのたびに一喜一憂するうちに、父に言われて仕方なく参加したということもいつしか忘れていました。小学3年生の私がわんぱく相撲で感じた子供らしい純粋な気持ちや、観覧席の方たちとともに一体となって盛り上がった体験は、30年を経た今でもよく覚えています。
それ以来私は、青年会議所主催の事業には幾度となく参加してきました。そのどれもが子供心にとても楽しく、今ではよい思い出となっております。
いつしか私も大人になり、地元の三鷹で青年会議所の会員の方たちと仕事をするようになりました。この交流の中で、青年会議所の行事に参加する子供の視点ではなく、主催する会員の方々の視点に触れる機会にも恵まれました。
そうした経験を重ねるうちに、私は改めて気づかされました。子供の頃にただ夢中で楽しんだわんぱく相撲を始め、三鷹青年会議所主催の事業は、会員の日々の努力や、地域の方々の協力のもと、実に長い時間と手間がかけられていたものだったのです。そして、その努力は決して個人の利益のためでなく、広く地域に貢献し、少しでも社会をよくしていこうという崇高な理念によるものだということが見えてきました。わんぱく相撲も、今では200人の子供たちが参加をする、三鷹のまちづくりを担う一事業となりました。これもまた、私がわんぱく相撲に参加した小学生の頃から今に至るまで、毎年のように会員の方々が地道な努力を重ねてきた成果なのです。
自分と同世代の青年がこんなにも三鷹を愛し、地域のことを真剣に考えているということが、大人になりたての私にはとても眩しく輝いて見えました。それに比べ、日々を何となく過ごしてきたそれまでの自分が恥ずかしく思い、私も先輩方のように、地域のために社会貢献がしたいという気持ちを強く抱き、三鷹青年会議所に入会することといたしました。
【地域との繋がり】
入会して改めて気づかされたことは、三鷹青年会議所の事業は、地域のために、子供たちのために、先輩方の様々な熱い想いが込められていたということです。
すでに37回開催されてきた「わんぱく相撲三鷹場所」は、三鷹の子供たちの健全な成長を願い始められました。今も共催団体として参加し、都内でも屈指の国際交流イベントとなった「三鷹国際交流フェスティバル」は、世界平和を願い、国際交流を通して社会を良くしたいという想いから始められました。また、現在は「みたかわんぱくスポーツDAY」と形をかえましたが、「みたかわんぱくサッカーフェスティバル」は、Jリーグ発足後に地元のチームをまち全体で盛り上げていきたいという想いから始められました。これらの事業は、地域の皆様に長く愛され、今もなお続けられております。
なぜこんなにも長く、事業を続けることができたのでしょうか。それは三鷹青年会議所の先輩方が地道に活動を続け、結果を出してきたことで地域の方々と信頼関係を築いていったからです。そして、その信頼関係の中から「三鷹青年会議所ならきっと私たちの住む地域をより良くしてくれる」という期待が生まれたからこそ、惜しみない支援や協力を頂けたのだと思います。
先輩方は、そうした地域からの期待に精一杯応えてくださいました。私自身、小学3年生の時に参加したわんぱく相撲は、ただの子供の頃の体験に止まらず、その記憶はこうして今でも残り、楽しかった昔の思い出となっています。そして、地域の方々と一体となって盛り上がったことで、私もこの地域に暮らす一人であると実感し、こうして地元で働き活動することに喜びを見いだしています。あの時に参加したわんぱく相撲は、私という一人の人間の重要な一部となっているという意味で「ひとづくり」であり、そうした地域との関わりを持つ人たちを増やしていくことが「まちづくり」なのだということが、今ではよく理解できます。そして、この「ひとづくり」を通じて「まちづくり」をしてきたという先輩方のおかげで、今もこうして地域の方々と良好な関係を続けることができているのです。
三鷹青年会議所と地域とを結ぶこうした関係こそ、設立より51年続く三鷹青年会議所の運動の成果であり、私たちの貴重な財産なのです。この財産を未来に引き継いでいくべく、地域のため、子供たちのために、地道に運動を展開して参ります。

【仲間を信じて】
地域交流という点においても、2020年度は非常に厳しい年となりました。信頼関係を築くには、実際に顔を合わせ、ともに同じ事業に汗を流すことがとても重要となってまいります。しかし、新型コロナウイルスの流行により多くの活動が中止を余儀なくされる中、そうした交流をする機会が非常に少なくなってしまいました。それは私たちの誰も経験したことのないような危機的な状況でした。
毎年のように行われていた「わんぱく相撲三鷹場所」も「三鷹国際交流フェスティバル」も「みたかわんぱくスポーツDAY」も、昨年は行われることはありませんでした。このままでは、青年会議所と地域との繋がりが薄くなり、せっかく先輩方が築き上げてきた関係すらも弱まってしまいます。
しかし、私たちは決して諦めることなく、「今私たちにできることは何だろう」という強い思いで、新たな方法を必死で模索しました。そのひとつが「みたかマスクプロジェクト」です。
このプロジェクトは、三鷹青年会議所で今まで行ったことのない、全く初めての試みでした。
新しいことを始めるというのは、大きな困難が伴うものです。まずはその意義や必要性から考えていかなくてはなりません。実際、果たしてこのプロジェクトを私たちが行うことにどれほどの意味があるのか、という疑問が会員の方たちから投げかけられ、幾度となく議論を重ねてまいりました。
それでも実際にプロジェクトが動き出すと、三鷹市内の多くの店舗にマスク寄贈箱の設置にご協力いただき、また、このプロジェクトはSNSを通して日本各地に広がり、北は北海道から南は宮崎県まで合計3,838枚のマスクの寄付が寄せられ、実に幅広い方々からの賛同を得ることができ、社会貢献を果たすことができました。これは私たちだけでなく、協力してくださった全ての方々のおかげでもあります。人と交流する大規模なイベントにこそなりませんでしたが、それでも、地域の方々との新たな信頼関係を築くことができたと思います。
「みたかマスクプロジェクト」は、なぜこんなにも地域の方々に受け入れられたのでしょうか。まずは、地域の方々においても、自分たちが同じように困難な状況に置かれるなか、困っている人を助けてあげたいという想いが潜在的にあったからだと思います。そして、その想いを私たちが形にすることが出来たのです。地域の方々に寄り添いつつ、しかし互いに対面することなく運動発信をする、それが「今私たちにできることは何だろう」という想いに対するひとつの答えだったのです。
また、こうした困難な状況においても、私たちが、最後までやり遂げることが出来たのは、私たち会員一人ひとりが、その想いを常に確かめあいながら、互いの意見を尊重し、協力して事業を進めていったからであり、それが可能になったのは、仲間を信じる気持ちが、私たちの中にあったから出来たのだと思います。
互いを信じられるからこそ、自分をさらけ出してさまざまな意見を述べることができます。
互いを信じられるからこそ、仕事をみんなで分担し、支えあうことができます。
そして、互いを信じられるからこそ、初めてのプロジェクトであっても新たな一歩として成功へと繋げることができたのです。
互いを信じ、支えあいながら、辛い時代でも前に進んでいく。そうした私たちの姿勢が地域の方々に認められたことに、私は会員の一人として深い喜びを感じました。そして、この信じあいながら新たな一歩を踏み出す力こそ、私たち三鷹青年会議所の最大の武器であり、強さの源であるということが、強い実感を伴って理解できました。
そんな思いから、今年度のスローガンを「仲間を信じて突き進め~新たなる一歩から始まる明るい未来~」といたしました。
この一歩は、ほんの小さな一歩かもしれません。しかし、互いを信じ諦めることなく一歩一歩前に進むことが、私たちの住む三鷹、東京、そして日本の、明るい未来に繋がることと信じています。私たち三鷹青年会議所は、明るい未来のため、チャレンジ精神をもって新たな一歩をためらうことなく踏み出してまいります。

【持続可能な組織であるために】
青年会議所は、20歳から40歳までの青年で構成されている組織であり、40歳になれば卒業することとなります。組織として運動を継続していくためには、新しい会員の獲得はとても重大な課題です。
しかし、新規会員はなかなか増えないのが現状です。確かに昨今では、多くの奉仕団体が存在し、情報化社会の中でSNSを通して共通の価値観の人と容易に繋がれるようになってきました。そうした時代の変化の中で、「青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代へ」と言われるように、かつてのような青年会議所の存在意義が揺らいでしまっているように感じます。
その一方で、三鷹青年会議所は、三鷹という大地にしっかり根を下ろし、51年にわたって成長を続けてきた大樹のような存在でもあると思います。先輩方が長い年月をかけて育ててきたこの木は、枝葉を広げて木陰を提供し、果実をもたらし、人々の憩いの場として頼られ、親しまれてきたこともまた、事実なのです。
私たちは先輩方から受け継いだ伝統を大切にし、地域との繋がりを保ちつつ、現代に合わせた新しい組織へと生まれ変わっていかなければなりません。特に今は先の見えない困難な時代でもあります。だからこそ、今年度における新しい会員の獲得は今までになく重大な意味を持っています。さまざまな事業を展開するには、もちろんより多くの会員が必要となってきます。しかし、今年度において新規会員を獲得する意味は、それだけに止まりません。新規会員は、三鷹青年会議所に新しい風を吹き込んでくれることと思います。船が航海に乗り出すには風の力が欠かせないように、私たちが新たな一歩を踏み出すためにも、そうした今までにない新しい風が不可欠なのです。
私たちは、新規会員の獲得のため、より多くの方に三鷹青年会議所の運動にご理解いただき、運動の理念に賛同してくれる人たちを増やしていかなくてはなりません。しかし、今まで通りの運動発信ではそれはできません。まずは、私たちが青年会議所の一員であることに誇りを持ち、そして、会員一人ひとりが、もっと青年会議所を好きになれる組織づくりを行ってまいります。

【最後に】
今こうして三鷹青年会議所ですばらしい仲間たちに出会い、私自身も日々の活動に取り組む中で、仲間とともに切磋琢磨し成長を続けております。そして、私の人生に彩りが添えられ、仲間たちとかけがえのない日々を過ごすことができているのも、全て三鷹青年会議所があってのことです。
私一人では何かをなし遂げることはできません。しかし、信じられる仲間たちと知恵を出し合い、力を合わせれば、なし遂げられないことなどないのです。三鷹青年会議所との出会いに感謝しつつ、2021年度は大好きな三鷹青年会議所の仲間たちとともに「仲間を信じて突き進め~新たなる一歩から始まる明るい未来~」のスローガンを掲げて邁進してまいります。皆様にはより一層のご指導ご鞭撻をお願い申し上げ、所信とさせていただきます。

第52代 理事長
吉野 建作

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